お写真で詳細はご確認ください。ジャケドローの証明書など付属します。大変、きれいで使用感はお写真の通りほとんどございません。

こちらのジャケドローは、お好きな方にはご存知の方も多いことと存じます。高級腕時計の雑誌など数々のページを飾っていた、トゥールビヨンでございます。世界に28本しか存在しないとても希少な時計です。艶やかに仕上げられたジャケドローの時計は、放つ存在感が違います。エレガントで、その品格、美しさはジャケドローならではの孤高の時計ブランドであることを一目で感じていただけることでしょう。

1721年、スイスに生まれたピエール・ジャケ・ドローが1738年にラ・ショー・ド・フォンに時計工房を開業したのが始まりです。彼を世界的に有名にしたのは時計の製作だけでなくオートマタ（機械式からくり）でした。時計の分野においても既成概念にとらわれずに「シンギングバード」、「噴水」、「ミュージックウォッチ」などの作品を製作し、その「仕掛け」の技術においては圧倒的なオリジナリティを誇り、オートマタはフランス・パリで国王ルイ16世と王妃マリー・アントワネットをはじめとしたヨーロッパ中の宮廷で絶賛を受けました。

まるで生きている人間が楽器を演奏したり、絵を描いたり、文字を書いたりするかに見える「音楽家」、「画家」、「文筆家」のオートマタはヨーロッパ中を巡回、そして彼の製作した作品の数々は中国・北京の紫禁城やアジアまでも輸出されていました。

そしてラ・ショー・ド・フォンに続いてロンドン(1774年)、ジュネーブ(1784年)と工房を開設し、時計やオートマタに関して人材育成と技術躍進にも余念のない創作活動を行いました。また、当時のビジネスや貿易の大きな拠点であったこの3都市に工房を開設することはブランドの発展を大いに助け、ヨーロッパ中の王侯貴族に愛されるほどに成長しました。

ブランドそのものはピエール-ジャケ・ドローの死後19世紀半ばに一度休眠はしたもののスウォッチ グループの復興プロジェクトによって1990年代、この天才時計師の名を冠したブランドとして現代に蘇り、創業からおよそ3世紀に渡り完全なまでにブランドの真髄が受け継がれています。

現代のジャケ・ドローのタイムピースは、高温焼成のエナメルを施した美しい文字盤や手作業でブルーイングされたブルースチール針、そしてサンレイ装飾が施された22金の回転ローターなど、一見クラシカルではあるが、オフセンターのダイヤルやブラックエナメルの深みに、絶妙なモダニズムと現代的なエッセンスが秘められています。

ジャケドローを所有されている方だけが味わうことができる感覚を、ぜひ、お楽しみくださいませ。世代を越えて、活躍することでしょう。